[AI] 「脳の回路図」を作る:全シナプスの「地図」を作成(2)

http://wiredvision.jp/blog/fromwiredblogs/200801/20080128104025.html

Lichtman教授の取り組みはスケールの大きなものだが、同教授がこの取り組みを
思い付いたのは、個々のニューロンを理解したいという思いからだった。とりわ
けLichtman教授が解明したいと考えているのは、ニューロンが、ヒトの誕生時に
は数十個ある結合をどのようにしてわずか数個にまで減らすのかということだ。
神経細胞はみな、多数の弱い結合を切り離して減らし、最終的に数個の強い結合
だけを残す。

「赤ん坊の神経細胞が他の神経細胞と結合している数は、成人になったときの数
の20倍だ」とLichtman教授は説明する。「われわれが突き止めようとしているの
は、結合を減らしていく際にどのようなルールがあるのかということだ。仮に1
つの神経細胞に100個の結合があり、それを5個にまで減らす必要があるとすれば、
問題はどの5個を残すのかということになる」とLichtman教授は語った。

Lichtman教授によれば、ニューロンは接続を切られまいと格闘し、各ニューロン
の争いが残りの神経細胞の結果に影響を及ぼすという。

「したがって、1つの細胞に及ぶ争いの影響を理解するには、すべての争いを理
解しなければならない」とLichtman教授は語った。

すべてのニューロンの「取っ組み合いのケンカ」による最終的な作用を、われわ
れは脳の発達と呼んでいる。この作用が、歩くことさえできない赤ん坊を、言葉
を話し『Blackberry』を使いこなす現代の大人へと変えているのだ。